24時間テレビについて思うこと
この週末、日本テレビで毎年恒例の「24時間テレビ」が放送されました。
私にとっては以前からなぜか気になる番組で、毎年見ています。深夜帯はどうしても寝てしまうのですが、さまざまな障がいのある人たちの挑戦や頑張りを応援しながら見ています。障がいのある人以外にも、いろいろな方の挑戦があり、つい目が離せなくなります。
今年、特に注目していたのは、チャリティーマラソンに挑戦した星野真里さんです。
星野さんといえば、私にとっては「3年B組金八先生」で金八先生の娘・乙女を演じていた方。以前から知っていたので、親しみを感じながら応援していました。
批判があることは分かるけれど
24時間テレビについては、毎年さまざまな批判があることも知っています。
「感動ポルノではないか」「障がい者を見せ物にしているのではないか」といった意見があり、障がいのある当事者や支援者の中にも、番組を見ないという方がいます。
挑戦のさせ方や、その姿の伝え方について、疑問を感じる人がいることも理解できます。本人の気持ちや安全が大切にされているかは、当然考えなければならないことです。
そのうえで、私は24時間テレビに賛成の立場です。
これほど多くの障がいのある人がテレビに登場し、その姿や思いに注目が集まる機会には、大きな意味があると思うからです。
普段、障がいのある人と関わる機会が少ない方にとっては、番組が障がいについて知るきっかけになるかもしれません。そこから関心を持ち、身近な人の暮らしや社会のあり方を考えてもらえるのであれば、それは大切なことだと思います。
挑戦だけでなく、日常の現実も伝えてほしい
一方で、番組にもう少し伝えてほしいと感じることもあります。それは、挑戦や成功の場面だけでなく、障がいのある人と、その家族の普段の生活です。
私がこれまで24時間テレビを見てきた中では、登山やトライアスロンなど、体を動かし、目に見える成果を目指す挑戦が強く印象に残っています。近年は、こうした企画が以前より少なくなったようにも感じます。
もちろん、その挑戦や努力を否定したいわけではありません。応援する気持ちもあります。
ただ、その一方で、障がいが重く、日常生活の多くの場面で支援を必要とする方々の暮らしや思いも、十分に伝えられているだろうか。私は、そこがとても気になっています。
私は特別支援学校、当時の「養護学校」に通っていました。そこで障がいの重い仲間と出会い、一緒に遊んだり、時間を過ごしたりしていました。その関わりを通して、重い障がいのある人たちと、これからも関わっていきたいと思うようになりました。
この頃のことや、今の思いについては、また別の機会にお話しできればと思います。
頑張りや挑戦の形は、人それぞれ
人それぞれ、頑張りや挑戦の形は違います。
例えば、本人が親や親しい人以外の、初めて会う人と過ごしてみること。声を出すことが難しくても、応答しようとすること。表情やしぐさ、視線など、その方に合った方法で気持ちを伝えること。
そうした日常の一場面が、ご本人にとって大切な挑戦であることもあります。
はたから見ただけでは、その思いや頑張りは分からないかもしれません。だからこそ、周囲の物差しだけで判断せず、ご本人の気持ちやペースを大切にしながら、知ろうとすることが必要だと思います。
ただ、何でも「頑張り」や「挑戦」として取り上げてほしいわけではありません。何かができるようになることだけでなく、好きなことを楽しんだり、安心して人と過ごしたりする時間も、その方の大切な日常です。
暮らし方や必要な支援は、一人ひとり、ご家庭ごとに異なります。24時間にわたる介助や見守り、夜間のケアが必要な方もいます。
外出に向けた準備や工夫、ご家族の休息、将来の暮らしへの思いなど、日々の生活を支えるさまざまなことにも目を向けてほしいです。
医療的ケアを知ることも、理解につながる
その中で、「医療的ケアとはどのようなものなのか」を分かりやすく説明することも、理解につながると思います。
例えば、自分で出すことが難しいたんを取り除く「たんの吸引」、口から十分に栄養を取ることが難しい場合に、チューブを通して栄養を届ける「経管栄養」、人工呼吸器による呼吸のサポートなどがあります。
必要なケアの内容や頻度は、人によって違います。また、医療的ケアが必要かどうかだけで、その方のできることや暮らし方が決まるわけではありません。
機器やケアの場面だけを見ると、なじみのない方は戸惑うかもしれません。だからこそ、それが何のために必要で、その方の暮らしをどのように支えているのかも伝えてほしいです。
「かわいそう」で終わらない伝え方を
介助やケアが必要な場面、生活の困難さだけを切り取ると、「かわいそう」「家族が大変」という印象だけが残ってしまうこともあると思います。大切なのは、その印象で終わらせない伝え方です。
本人が何を楽しみ、どのような思いを持ち、周囲の人とどう関わっているのか。ご家族が何を大切にし、どんな支えを必要としているのか。
大変さも喜びも、一つのイメージに当てはめず、丁寧に伝えてほしいのです。
もちろん、ご本人の意思や、ご家族それぞれの意向、プライバシーを尊重することが前提です。見せたくないことまで公開したり、障がいについて説明する役割を担ったりする必要はありません。
現実を隠すことも、無理に感動的な話にすることもなく、一人の人として、その方の暮らしを知ってもらう。「かわいそう」で終わらず、「こういう思いがあるんだ」「こんな関わり方ができるんだ」という理解につながってほしいと思います。
そして、本人や家族の努力だけでは解決できないこともあります。
どんな支援や環境があれば、その方が望む暮らしに近づけるのか。社会の側に変えられることはないのか。そこまで考えるきっかけになってほしいです。
障がいのある人への理解を広げる活動の一環としてチャリティーを行うのであれば、こうした伝え方も重要だと思っています。
同情だけではなく、その人の暮らしや思いを知り、必要な支援を理解したうえで応援してもらうこと。寄付を集めるだけで終わらず、障がいのある人への理解や、日常の中での関わりにつながってほしいと思います。
星野真里さんの発言を聞いて
今回、特に心に残ったのが、星野真里さんが語った、娘さんの授業参観での出来事でした。
娘さんが教室の後ろで一人離れたところにいて、声をかけられることなく授業が進んでいたことに、ショックを受けたというお話です。
私は、そのとき生放送で星野さんの発言を聞いていました。そして、率直に「よく言ってくれた」と思いました。
だからこそ、後になって、この発言に対して「自分の子どもだけを特別扱いしてほしいということではないか」「先生が気の毒だ」と批判する人がいると知り、悲しくなりました。
確かに、先生や周囲の方々の大変さは、痛いほど分かります。クラス全員を見ながら、一人ひとりに合わせた対応をするのは、簡単なことではありません。先生一人にすべてをお願いできないことも理解しています。
それでも、ただ教室の後ろにいるだけではなく、みんなと一緒に勉強し、友達と交流することは、とても大切です。
同じ教室にいることと、その中で仲間として一緒に過ごすことは、必ずしも同じではないと思います。
「特別扱い」ではなく、仲間として
私は、星野さんの発言を「うちの子だけを優先してほしい」という意味には受け取りませんでした。
「うちの子も、みんなと一緒に学ぶ仲間として関わってほしい」という願いだったのではないかと感じています。その願いまで「わがまま」や「特別扱い」と受け取られてしまうことに、寂しさを感じます。
もちろん、放送されたお話だけでは、その場の事情や学校側の対応のすべては分かりません。先生だけを責めたいわけでもありません。
先生や周囲の方々の大変さがあるからこそ、誰か一人が無理をするのではなく、どうすれば一緒に学び、交流できるのかを考えていくことが必要なのだと思います。
支援する側の大変さを理解することと、子どもが仲間と過ごす機会を大切にすること。その両方を大事にしてほしいです。
放送が終わったあとも考えたい
私が24時間テレビに期待しているのは、感動する場面だけではありません。
障がいのある人が何を思い、日々どんなことに困り、どのような関わりを望んでいるのか。そうした声が、多くの人に届く機会であってほしいと思っています。
今回の星野さんの発言も、親か先生か、どちらが悪いと決めるのではなく、一緒に学び、暮らしていくために何が必要なのかを考えるきっかけになってほしいです。
特別な挑戦をしたときだけ注目されるのではなく、普段の学校や地域の中でも、一人の仲間として関わり合えること。障がいがあっても、自分の思いを持ち、人と交流しながら地域で暮らしていけること。
そんな社会につながる番組であってほしいと、私は思います。
いつか私も、ユニピアの活動やディスクゴルフを伝える立場として
そして、私自身にも夢があります。
いつか、ユニバーサル・ピアで活動する一人として、そして「身障者ディスクゴルファー」として、24時間テレビに出演してみたいです。
ユニピアの活動を通して伝えたいのは、障がいがあっても、自分の思いを持ち、人と関わりながら地域で暮らしていくことの大切さです。箱根ステップアップキャンプなどで、障がいのある人とボランティアが一緒に楽しみ、経験を重ねる姿や、そこに込めた思いを、多くの方に知ってもらえたらうれしいです。
また、ディスクゴルフを楽しみ、挑戦する姿を通して、障がいがあっても自分に合った方法でスポーツを楽しめることや、この競技の魅力も伝えたいと思っています。
こうした活動を知ってもらうことが、障がいのある人と関わってみようと思うきっかけや、一緒に活動する仲間との出会いにつながれば、さらにうれしいです。
ユニピアの活動や、私のディスクゴルファーとしての姿が、日本テレビのスタッフの方の目に留まってくれたらいいな……なんて思っています(笑)。
さまざまな意見がある番組ですが、私はこれからも応援していきたいと思っています。
24時間テレビは、私にとって毎年欠かせない恒例の番組です。今年の放送が終わったばかりですが、来年が今から楽しみです。
箱根ステップアップキャンプへの応援をお願いします
障がいがあっても、自分で選び、挑戦し、人と交流する機会を大切にしたい。その思いから、ユニバーサル・ピアでは「箱根ステップアップキャンプ」を開催しています。
障がいのある参加者とボランティアが一緒に旅をし、さまざまな経験を重ねるこのキャンプを支えるため、現在クラウドファンディングに取り組んでいます。
いただいたご支援は、参加費の負担軽減やボランティアの活動費、安全に運営するための費用などに活用させていただきます。
活動に共感していただけましたら、無理のない範囲でのご寄付や、SNSでのシェアなどで応援していただけるとうれしいです。
▼ READYFORでのご支援はこちら
第3回箱根ステップアップキャンプ・クラウドファンディング
▼ Syncableからもご支援いただけます
箱根ステップアップキャンプへの寄付ページ
▼ キャンプの詳細はこちら
第3回箱根ステップアップキャンプ公式ページ
皆さまの温かい応援を、どうぞよろしくお願いいたします。